道路調査が建築上必要な訳とは

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道路調査が建築上必要な訳とは

わたしたちの住まいは、建築基準法に則り建築が行われます。そして建築物はその敷地と接する道路の状況によってさまざまな制限を受けることがあります。

またケースによっては建築が不可になることもあります。なぜそこまで厳しく定められているのでしょうか?

接道義務となっている目的

接道義務となっている背景には、以前に建築されてきた建物には接道がなく密集している地域も多くあったこと、そのために障害となることがありました。
そこで新たに建築する場合、厳格に接道義務を設けることで、以下のような目的に対応できるようになりました。
  • 建築物の日照・採光・通風を確保すること
  • 緊急車両の進入を妨げない
<建築物の日照・採光・通風を確保すること>

建築物の敷地周辺に一定幅員のある接道がない場合、日照・採光・通風を確保出来ない可能性があります。日本の建築上隣地との境界が狭くなってしまうことが多くあります。そのため、窓などの開口部を道路面に設置することで日照や採光を確保することができます。


<緊急車両の進入を妨げない>

日本は地震が多い国と言われております。地震は建物の倒壊だけでなく、火災が発生したり、地域によっては津波などの恐れもあります。
そうした災害が発生した場合、消防車などの緊急車両の進入を妨げないよう、道路の環境を維持しておく必要があります。また人命救助の場合にも救急車がより建物の近くに侵入させる必要がある為、建築計画上、玄関の位置と道路までの幅員も重要になっています。

接道状況を確認する流れ

日常、目で見ても分からない道路の状況では、公道であると思っていた道が実際には私道であったということもあります。不動産や建築に関わる方は実際に敷地調査を行っていますが、一般の方でも以下のような流れで調べることが出来ます。
  1. 法務局で公図、謄本を取得する
    • 公図では公道であれば「道」と記載がある。
    • それ以外には地番の記載があるため謄本を取得し地目と所有者を確認する
  2. 現況確認をする 
    • 敷地と道路の境界を確認する U字溝や水路等の幅員も調べておく
    • 道路の幅員をスケールで測る
      • 2m以上敷地と接しているか
      • 道路の幅員が4m以上あるか(未満の場合場合セットバックが必要)
  3. 上記をもとに役所へヒアリングし建築するうえでの問題を確認する

道路法上の道路となればあとは接道要件を確認する

接道要件とは、道路の幅員が4メートル以上あるか、敷地と道路が2メートル以上接しているかの2点です。

❶の道路幅員については、原則4メートルの幅員が必要になります。もしも4メートルの幅員が無い場合、幅員を確保するため道路の中心からそれぞれ2メートルさがったところを道路の境界とします。(セットバックという)最終的には行動としてセットバックされた土地は権利上分筆され、市へ所有権が移転されます。

❷の敷地と道路が接している幅は2メートル以上接していることから建築可能となります。

❸の場合、2メートル以上接していなければ建築は不可となります。対処法は周辺状況によって変わりますので一度ご相談をしてみることをお勧めします。また下記に例外で許可されるケースもあります。
国土交通省建築基準法制度概要集https://www.mlit.go.jp/common/001215161.pdf

例外:接道要件を満たさず許可される

建築物の敷地は、原則として4m以上の幅員の道路に2m以上接していなければなりません。

ただし、次の基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものは、上記の接道義務を満たさない敷地にも建築することができる可能性があります。

(施行規則第10条の2の2)
国土交通省建築基準法制度概要集https://www.mlit.go.jp/common/001215161.pdf

例外:自治体によっては、条例で接道を規定することができる

 本記事を書いている私もこれまで見たことはありませんので、かなり特殊な事例と言えます。建築基準法第68条の9は、自治体が条例で法第43条について定めることができるとされています。

念のために自治体の条例は確認することで解決する事案もあるかもしれません。
第8節 都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内の建築物の敷地及び構造

第6条第1項第四号の規定に基づき、都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域内においては、地方公共団体は、当該区域内における土地利用の状況等を考慮し、適正かつ合理的な土地利用を図るため必要と認めるときは、政令で定める基準に従い、条例で、建築物又はその敷地と道路との関係、建築物の容積率、建築物の高さその他の建築物の敷地又は構造に関して必要な制限を定めることができる。
建築基準法第68条の9

都市計画区域外は接道義務が無い

 各自治体では、管轄している都市の健全な発展をさせるために地域を区分しています。
 
接道義務は、建築基準法第41条の2の規定により都市計画区域外・準都市計画区域外は接道の規定である建築基準法第43条は適用されません。

(接道の件と異なりますが、都市計画区域外で建築確認申請が不要な場合でも建築工事届出の提出は必要となります。)
都市計画区域都市計画区域
(線引き)
市街化を促進している区域
細かく用途地域が定められている
市街化調整区域
(線引き)
市街化を抑制している区域
原則として新たな建築は不可
非線引”
都市計画区域
線引を除く区域
都市計画区域外都市計画に含まれていない区域
準都市計画区域将来都市計画の見込みがある区域(無秩序な建築を防ぐ)

【参考資料】建築基準法上の道路に該当する道路の区分

名称道路の区分
第42条-1道路法による道路(高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道)
第42条-2都市計画法や土地区画整理法などによりつくられた道路
第42条-3建築基準法施行時より前に存在する道路
第42条-4都市計画法や土地区画整理法などに基づき、2年以内に事業が執行されるものとして、特定行政庁が指定した道路
第42条-5土地を建築物の敷地として利用するため、土地所有者が築造して、特定行政庁の位置の指定を受けたもの
建築基準法 (道路の定義) 第42条

【参考資料】建築基準法における道路とは

建築基準法(道路の定義) 第四十二条

(道路の定義)

第四十二条 この章の規定において「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。

 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路

 都市計画法、土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)、旧住宅地造成事業に関する法律(昭和三十九年法律第百六十号)、都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)、新都市基盤整備法(昭和四十七年法律第八十六号)、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和五十年法律第六十七号)又は密集市街地整備法(第六章に限る。以下この項において同じ。)による道路

 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に存在する道

 道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法による新設又は変更の事業計画のある道路で、二年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの

 土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの

 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートル(同項の規定により指定された区域内においては、三メートル(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、二メートル)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満で崖地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該崖地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。

 特定行政庁は、土地の状況に因りやむを得ない場合においては、前項の規定にかかわらず、同項に規定する中心線からの水平距離については二メートル未満一・三五メートル以上の範囲内において、同項に規定するがけ地等の境界線からの水平距離については四メートル未満二・七メートル以上の範囲内において、別にその水平距離を指定することができる。

 第一項の区域内の幅員六メートル未満の道(第一号又は第二号に該当する道にあつては、幅員四メートル以上のものに限る。)で、特定行政庁が次の各号の一に該当すると認めて指定したものは、同項の規定にかかわらず、同項の道路とみなす。

 周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認められる道

 地区計画等に定められた道の配置及び規模又はその区域に即して築造される道

 第一項の区域が指定された際現に道路とされていた道

 前項第三号に該当すると認めて特定行政庁が指定した幅員四メートル未満の道については、第二項の規定にかかわらず、第一項の区域が指定された際道路の境界線とみなされていた線をその道路の境界線とみなす。

 特定行政庁は、第二項の規定により幅員一・八メートル未満の道を指定する場合又は第三項の規定により別に水平距離を指定する場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。

建築基準法(敷地等と道路との関係)第四十三条

(敷地等と道路との関係)

第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。

 自動車のみの交通の用に供する道路

 地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内の道路

 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。

 その敷地が幅員四メートル以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの

 その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの

 地方公共団体は、次の各号のいずれかに該当する建築物について、その用途、規模又は位置の特殊性により、第一項の規定によつては避難又は通行の安全の目的を十分に達成することが困難であると認めるときは、条例で、その敷地が接しなければならない道路の幅員、その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係に関して必要な制限を付加することができる。

 特殊建築物

 階数が三以上である建築物

 政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物

 延べ面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合にあつては、その延べ面積の合計。次号、第四節、第七節及び別表第三において同じ。)が千平方メートルを超える建築物

 その敷地が袋路状道路(その一端のみが他の道路に接続したものをいう。)にのみ接する建築物で、延べ面積が百五十平方メートルを超えるもの(一戸建ての住宅を除く。)

(その敷地が四メートル未満の道路にのみ接する建築物に対する制限の付加)

第四十三条の二 地方公共団体は、交通上、安全上、防火上又は衛生上必要があると認めるときは、その敷地が第四十二条第三項の規定により水平距離が指定された道路にのみ二メートル(前条第三項各号のいずれかに該当する建築物で同項の条例によりその敷地が道路に接する部分の長さの制限が付加されているものにあつては、当該長さ)以上接する建築物について、条例で、その敷地、構造、建築設備又は用途に関して必要な制限を付加することができる。

建築基準法 (道路内の建築制限) 第四十四条

(道路内の建築制限)

第四十四条 建築物又は敷地を造成するための擁壁は、道路内に、又は道路に突き出して建築し、又は築造してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。

 地盤面下に設ける建築物

 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する公益上必要な建築物で特定行政庁が通行上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの

 第四十三条第一項第二号の道路の上空又は路面下に設ける建築物のうち、当該道路に係る地区計画の内容に適合し、かつ、政令で定める基準に適合するものであつて特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの

 公共用歩廊その他政令で定める建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上他の建築物の利便を妨げ、その他周囲の環境を害するおそれがないと認めて許可したもの

 特定行政庁は、前項第四号の規定による許可をする場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。

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