空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案

目次

空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案

空家等対策の推進に関する特別措置法

はじめに

2015年に施行した「空き家対策特別措置法」、放置すると倒壊のおそれがあるなど特に危険性が高い物件を「特定空き家」に指定し、撤去できるようになりました。以下の記事は本特措法を見やすくまとめたものになります。

特措法の改正案が可決

改正法が新たに盛り込まれました

しかしこうした措置は十分進まず空き家が増え続けていることから、特定空き家になる前の段階での対策強化を盛り込んだ改正法が2023年6月7日の参議院本会議で賛成多数で可決・成立しました。

近年、空き家の数は増加を続けており、今後、更に増加が見込まれる中、空き家対策の強化が急務となっております。
 この法律案は、こうした状況を踏まえ、周囲に悪影響を及ぼす特定空家等の除却等の更なる促進に加え、周囲に悪影響を及ぼす前の段階から空家等の有効活用や適切な管理を確保し、空き家対策を総合的に強化するものです。
国土交通省>報道発表 https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000160.html
これまでさまざまな調査などが行われてきました。原因も理由も分かったものの、実際の所有者(わたしたち社会全般)には関心が薄く、インセンティブの働かないものに対しては問題先送りであったり、他の人もそうだからというような意識があり、生活の中でやるべきことの優先順位には入らないものなのかと痛感しました。

これから国や自治体が主体となっていくことで、更に強制力(罰則規定)が高まることで、わたしたちの知識的理解が高まっていくと思います。人によっては"いつから固定資産税が6倍になるのか知りたい"といった声も聞こえてきます。
このような事態になる前に、早い段階からの手立てがもっともコストや労力負担を減らしていく方法なんだということを知っていただくよう努めていきたいと思います。

改正案、概要と要点のまとめ

改正法の概要
(1) 所有者の責務強化
現行の適切な管理の努力義務に加え、国、自治体の施策に協力する努力義務を追加
(2) 空家等の活用拡大
  1. 空家等活用促進区域
    • 市区町村が空家等活用促進区域及び空家等活用促進指針を定めた場合に接道規制や用途規制を合理化し、用途変更や建替え等を促進
    • 市区町村長は、区域内の空家等の所有者等に対し指針に合った活用を要請
  2. 空家等管理活用支援法人
    • 市区町村長は、空家等の管理や活用に取り組むNPO法人、社団法人等を空家等管理活用支援法人として指定
(3) 空家等の管理の確保
  • 市区町村長は、放置すれば特定空家等になるおそれがある空家等を管理不全空家等として、指導、勧告
  • 勧告を受けた管理不全空家等の敷地は固定資産税の住宅用地特例を解除
(4) 特定空家等の除却等
  • 市区町村長に特定空家等の所有者等に対する報告徴収権を付与
  • 特定空家等に対する命令等の事前手続きを経るいとまがないときの緊急代執行制度を創設
  • 所有者不明時の略式代執行、緊急代執行の費用徴収を円滑化
  • 市区町村長に財産管理人の選任請求権を付与
背景
  • 居住目的のない空家は、この20年で1.9倍、今後も増加。
    • (1998年)182万戸→(2018年)349万戸→(2030年見込み)470万戸
  • 除却等のさらなる促進に加え、周囲に悪影響を及ぼす前の有効活用や適切な管理を総合的に強化する必要。
改正法の概要まとめ
  • 所有者の責務強化
    • (現行の「適切な管理の努力義務」に加え、)国、自治体の施策に協力する努力義務
1.活用拡大
  1. 空家等活用促進区域 (例)中心市街地、地域の再生拠点、観光振興を図る区域等
    • 市区町村が区域や活用指針等を定め、用途変更建替え等を促進
      • ⇒安全確保等を前提に接道に係る前面道路の幅員規制を合理化
      • ⇒指針に合った用途に用途変更等する場合の用途規制等を合理化
      • 市区町村長から所有者に対し、指針に合った活用を要請
  2. 財産管理人による所有者不在の空家の処分(詳細は3.③後掲)
  3. 支援法人制度
    • 市区町村長がNPO法人、社団法人等を空家等管理活用支援法人に指定
    • 所有者等への普及啓発、市区町村※から情報提供を受け所有者との相談対応※事前に所有者同意
    • 市区町村長に財産管理制度の利用を提案
3.特定空家の除却等
  1. 状態の把握
    • 市区町村長に報告徴収権(勧告等を円滑化)
  2. 代執行の円滑化
    • 命令等の事前手続を経るいとまがない緊急時の代執行制度を創設
    • 所有者不明時の代執行、緊急代執行の費用は、確定判決なしで徴収
  3. 財産管理人※による空家の管理・処分(管理不全空家、特定空家等)
    • 市区町村長に選任請求を認め、相続放棄された空家等※所有者に代わり財産を管理・処分。 (注)民法上は利害関係人のみ請求可
2.管理の確保
  1. 特定空家※化を未然に防止する管理
    • 放置すれば特定空家になるおそれのある空家(管理不全空家)に対し、管理指針に即した措置を、市区町村長から指導・勧告
    • 勧告を受けた管理不全空家は、固定資産税の住宅用地特例1/6等に減額)を解除
  2. 所有者把握の円滑化
    • 市区町村から電力会社等に情報提供を要請
窓が割れた管理不全空家
緊急代執行を要する崩落しかけた屋根

特措法の施行状況進捗(令和元年調査時点のデータ)

国土交通省・総務省の連名で、空家等対策の推進に関する特別措置法
の施行状況等について各自治体への調査を行いました。本データは令和元年当時のものです。その後、令和2年~4年に施行状況の進捗がわかるものが出典されています。
<調査概要>
・方法:アンケート調査 ※国土交通省・総務省の連名調査 対象:1,741市区町村
・時期:令和元年12月 実施(調査時点:令和元年10月1日)

空家等対策計画(法第6条関係)

  • 計画策定済み市区町村の約95%が「管理不全空き家の発生予防」に関する記載を行っており、その記載は、空き家の流通・活用促進、事業者育成、相続・成年後見制度、住宅用地特例の解除に向けた取組など、多岐にわたる。
  • 一方で、計画に記載しているものの、取組が十分に行えていない市区町村も存在している。

法定協議会(法第7条関係)

  • 法定協議会は計画策定済み市区町村の2/3で設置されており、地域住民、建築士、弁護士、警察・消防・社会福祉士など、多様な専門家が参画している。
  • 協議内容は多岐にわたり、市区町村における総合的な空き家対策の取組に寄与している。

空家等の所有者等の特定(法第10条関係)

  • 市区町村が所有者特定事務を完了した件数は30.7万件、うち所有者等が特定された件数は26.4万件。
  • 所有者特定の際に固定資産税情報を活用している市区町村が最も多く、法に基づく固定資産税情報の内部利用が進んでいる。

空家等の適正管理、活用等(法第12条・法第13条関係)

  • 空き家の適正管理、活用に関して、概ね6~7割の市区町村で取組が行われている。
  • 一方で、特定できた所有者情報を不動産団体等に提供することについては、実施している市区町村が15%程度にとどまっており、今後の課題と捉えられる。

特定空家等に対する措置(第14条関係)

  • 特定空家等に対する措置に取り組む市区町村のうち、約半数が立入調査を行い、特定空家等となるか否かの判断を行っている。
  • 特定空家等に対する措置を行う上で、所有者の自主的対応が困難であることや、所有者多数の場合の対策の困難さ、職員のノウハウ不足・マンパワー不足、所有者不明の場合の判断の困難さといった障壁が挙げられている。

特措法の施行状況進捗(令和4年3月調査時点のデータ)

令和4年3月31日時点(調査対象:1,741市区町村)。
なお、「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)の施行状況等」(令和4年8月10日報道発表)後に市区町村から報告のあった修正等を反映しています。
出典:令和4年3月31日時点 国土交通省・総務省調査

1.空家等対策計画の策定状況

2.法定協議会の設置状況

4.空き家等の譲渡所得3,000万円控除に係る確認書の交付実績

3.特定空家等に対する措置状況

5.空家法に基づく措置や市町村による空き家対策による管理不全の空き家の除却や修繕等の推進

市区町村の取組による管理不全の空き家の除却等の状況

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