令和元年空き家所有者実態調査

令和元年空き家所有者実態調査
はじめに

ここでは、たくさんの調査結果の中でも、特に知っておいたほうがよいと思う情報を抜粋させていただきます。現状を把握することで、私たちが住まいのことについてこれまであまり考えられていなかった面を意識できるようになると思います。認知、理解度が深まり、空き家対策の一助になることが社会的貢献であると考えています。
目次

調査の概要

概要の一覧

調査名空き家所有者実態調査
調査目的全国の空き家について利用状況、管理実態などを把握し、空き家に
関する基礎資料を得ることを目的としている
調査時期令和元年11月~令和2年1月
調査方法郵送により調査票を配布して調査票の回収及びオンライン回答の受付
調査対象者H30年住宅・土地統計調査(H30.10/1現在)において「居住世帯のない
住宅(空き家)を所有している」と回答した世帯から無作為に抽出した世帯
調査対象数12,151
有効回答数5,791 回答率:47.7%
該当HP国土交通省>令和元年空き家所有者実態調査
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/R1_akiya_syoyuusya_jittaityousa.html
令和元年空き家所有者実態調査

居住世帯のない住宅(空き家)とは

  • 普通世帯の世帯員が、現在居住している住宅又は住宅以外の建物のほかに所有している住宅(共有の場合を含む)のうち、ふだん人が居住しておらず、空き家となっている住宅をいう。
  • ここでいう「所有している」とは、登記の有無にかかわらず、固定資産税が納付されており、現にその住宅を所有している場合、又は相続の手続き中の住宅がある場合をいう
  • ただし、一時現在者のみの住宅(昼間だけ使用している住宅や、何人かの人が交代で寝泊まりしている住宅)及び建築中の住宅、一つの世帯が独立して家庭生活を営むことができないような廃屋は、調査対象には含めない。
現住居以外
の住宅を
所有している
居住世帯
のある住宅
居住世帯
のない住宅

(空き家)
二次的住宅
別荘用
貸家用
調査
対象
現住居以外の
住宅を
所有している
売却用
その他
居住世帯の無い住宅を空き家として調査対象
「居住世帯のない住宅(空き家)」の主な用途
二次的住宅
別荘用
残業で遅くなったときに寝泊まりするなどたまに使用する住宅を「二次的住宅」といい、週末や休暇に避暑・避寒・保養などの目的で利用する住宅を「別荘」という。
貸家用新築・中古を問わず、貸すことを目的に所有している住宅をいう。なお、貸別荘もここに含める。
売却用新築・中古を問わず、売却のために空き家になっている住宅をいう。
その他例えば、所有者が現在、老人ホームなどの施設に入居していて誰も住んでいない自宅や、使用目的がなく、現在、空き家として所有している住宅などをいう。
参考 ここで言う言葉の位置付

調査結果の概要

空き家の利用状況について

利用状況

利用状況
「二次的住宅・別荘用」が 25.8%、「貸家用」が 4.4%、「売却用」が 12.8%、「その他(物置、長期不在、取り壊し予定の空き家等)」が 52.8%となっている。
利用状況(総数・建築時期別)
建築時期別にみると、昭和 56 年以降建築のものについては、全体の平均に比べて「二次的住宅・別荘用」の割合が大きくなっている。一方、建築時期が古いものほど、「その他」の割合が総じて大きく、「昭和 25 年以前」では 65.2%となっている。

腐朽・破損の状態

総数・利用現況別
空き家の状態について、腐朽・破損があるものは合わせて 54.8%、腐朽・破損がないものは 39.2%となっており、調査時点で利用現況が「その他」の状況にあるものでは、腐朽・破損がある割合が大きく、64.2%となっている。
総数・建築時期別
建築時期別にみると、建築時期が古くなるほど、腐朽・破損があるものの割合が大きくなっており、昭和 25 年以前のもので76.3%、そのうち約 6 割の 43.8%に、建物の主要部分
の不具合(屋根の変形や柱の傾きなど)が生じている

最寄りの鉄道駅からの距離

総数・利用現況別
「2,000m以上」が 39.9%と最も大きく、次いで「1,000~2,000m未満」が 21.5%、「500~1,000m未満」が 20.7%などとなっている。調査時点で利用現況が「貸家用」のものでは、駅から 1,000m未満の割合が大きく、合わせて 50.0%となっている。
総数・腐朽・破損の状態別
腐朽・破損の状態別にみると、腐朽・破損の程度が大きいものは駅から 2,000m以上の割合が大きくなっており、「屋根の変形や柱の傾きなどが生じている」ものでは 49.8%、「住宅の外回りまたは室内に全体的に腐朽・破損がある」ものでは 57.6%となっている。

登記または名義変更

総数・利用現況別
空き家を取得した際に、登記の「名義変更を行った」または「新たに登記を行った」割合は合わせて 76.7%となっている。一方、「いずれも行っていない」割合は 15.3%となっており、調査時点で利用現況が「その他」の状況にあるものでは、「いずれも行っていない」割合が大きく 19.6%となっている。
総数・取得方法別
取得方法別にみると、「相続」により空き家を取得した場合に、「いずれも行っていない」の割合が大きくなっており、17.8%となっている。

登記または名義変更しない理由

総数・所有者の年齢※別
登記または名義変更のいずれも行わない理由は、「登記や名義変更しなくても困らない」が 49.6%と最も大きく、所有者(所有世帯の家計を主に支える者)の年齢が高いほど割合が高くなっている。

空き家の管理について

n=3,912
空き家の主な管理者は、「所有者または所有者と同居している親族」が 77.3%、「所有者と同居していない親族」が 10.8%の順になっており、所有者やその親族が合わせて 88.1%と
なっている。
総数・利用現況別
管理者がいるものについての管理の頻度は、「月に 1 回~数回」の割合が 36.4%と最も大きい一方で、「年に 1 回~数回」の割合が 24.7%と全体の約 1/4 を占めている。

空き家の管理面での心配事

総数・管理の頻度別
管理面での心配事については、「住宅の腐朽・破損の進行」が 58.0%と最も大きく、次いで「樹木・雑草の繁茂」が 41.9%「不審者の侵入や放火」が 32.1%となっている。管理の頻度別にみると、管理の頻度が低いほど各項目を心配と考える割合が大きい一方、管理の頻度が高いほど「心配事はない」の割合が大きくなっており、「ほぼ毎日」管理しているものでは 41.4%となっている。

管理をする上での課題

総数・延べ床面積別
管理をする上での課題については、「管理の作業が大変」が 29.8%「住宅を利用する予定がないので管理しても無駄になる」が 26.0%などとなっている一方、「課題はない」が30.2%となっている。
延べ床面積別にみると、面積が大きいほど「管理の作業が大変」の割合が大きく、150 ㎡以上のものでは 39.0%となっている。

今後の空き家の利用

総数・利用現況別
今後 5 年程度のうちの利用意向については、「空き家にしておく(物置を含む)」が28.0%、「セカンドハウスなどとして利用」が 18.1%、「売却」が 17.3%の順となっている。
調査時点での利用現況別にみると、現在の利用を続けるものが多いほか、「その他」では「取り壊す」が 21.9%と割合が大きくなっている。
総数・建築時期別
建築時期別にみると、建築時期が古いものほど「空き家にしておく」「取り壊す」の割合が大きく、昭和 25 年以前のものでそれぞれ 37.6%、21.1%となっている。
総数・腐朽・破損の状態別
腐朽・破損の状態別にみると、腐朽・破損の程度が大きい場合は「取り壊す」の割合が大きく、「屋根の変形や柱の傾きなどが生じている」では 29.1%、「住宅の外回りまたは室内に全体的に腐朽・破損がある」では 39.4%となっている。反対に、腐朽・破損なしでは「セカンドハウスなどとして利用」の割合が大きくなっている。また、腐朽・破損の程度が進むほど「売却」の割合が大きくなっているが、建物の主要部分まで不具合(屋根の変形や柱の傾きなど)が進むと、割合が小さくなっている。
総数・特定空家等への措置の認知状況別
空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく特定空家等への措置を「知っている」世帯ほど「空き家にしておく」の割合が小さくなっている。

空き家を賃貸・売却する上での課題

n=885
今後の利用意向が「賃貸」「売却」のものについて、賃貸・売却する上での課題を聞いたところ、「買い手・借り手の少なさ」の割合が 42.3%と最も大きく、次いで「住宅の傷み」が 30.5%、「設備や建具の古さ」が 26.9%の順となっている。

寄付・贈与で支払ってもよい費用

n=50
今後の利用意向が「寄付・贈与」のものについて、寄付・贈与のために支払っても良い費用を聞いたところ、「費用がかかるなら寄付・贈与しない」の割合が 42.0%と最も大きく、次いで「固定資産税相当額及び管理費用(1 年分)」が 22.0%となっている。

空き家除却費用の用意

n=515
今後の利用意向が「取り壊す」のものについて、取り壊すための費用はどのように用意するかを聞いたところ、「貯蓄から」の割合が 55.3%と最も大きい一方、「未定」の割合が29.1%と約 1/3 を占めている。

空き家にしておく理由

n=1,097
今後の利用意向が「空き家にしておく(物置を含む)」のものについて、売却・賃貸しないまたは取り壊さない理由を聞いたところ、「物置として必要」が 60.3%と最も大きく、次いで「解体費用をかけたくない」が 46.9%、「さら地にしても使い道がない」が36.7%の順となっている。

所有世帯の家計を主に支える者年齢

総数・取得方法別
「65~74 歳」が 41.0%と最も多く、高齢者(65 歳以上)が合わせて 61.5%を占めている。
取得方法別にみると、「相続」で空き家を取得した所有者の場合は、65 歳未満の割合が大きく、合わせて 42.4%となっている。

所有世帯が居住する住宅

総数・建て方別
「戸建ての持家」が 80.2%と最も多く、「共同住宅等の持家」と合わせて、持家が 91.5%を占めている。建て方別にみると、「共同住宅」の空き家を所有している世帯は、「共同住宅等の持家」や「借家」に居住する割合が大きくなっている。

所有世帯居住地から空き家迄の所要時間

総数・所有世帯が居住する住宅別
「徒歩圏内」と「車・電車などで 1 時間以内」がともに 35.6%、「車・電車などで 1 時間超~3 時間以内」が 15.7%、「車・電車などで 3 時間超」が 12.5%となっている。
所有世帯が「共同住宅等の持家」や「借家」に居住している場合には、空き家まで 1 時間超かかる割合が大きく、「共同住宅等の持家」で合わせて 50.2%、「借家」で合わせて62.3%となっている。

所有世帯の年間収入

総数・腐朽・破損の状態別
「300~400 万円未満」が 17.2%、「200~300 万円未満」が 16.4%、「500~700 万円未満」が 15.6%、「700~1,000 万円未満」が 14.2%の順となっている。
腐朽・破損の状態別にみると、腐朽・破損の程度が少ないほど世帯の年間収入が 500 万円以上の割合が大きく、「腐朽・破損なし」の空き家を所有している場合には合わせて 46.5%となっている。

集計結果

集計

空き家の取得経緯

取得方法(n=3,912)
「相続」が 54.6%と最も多く、次いで「新築・建て替え」が 18.8%、「中古の住宅を購入」
が 14.0%、「新築の住宅を購入」が 5.3%となっている。
市区町村の属性別の取得方法
市区町村の属性別では、大都市圏以外に所在するものは「相続」の割合が大きく、「大都
市圏以外 市部」で57.3%、「大都市圏以外 郡部」で59.7%となっている。

人が住まなくなった理由

n=3,598
「別の住宅へ転居」が 41.9%と最も多く、次いで「死亡」が 40.1%、「老人ホ-ム等の施設
に入居」が 5.9%、「転勤、入院などにより長期不在」が 3.5%となっている。

居住世帯のない期間

n=3,912
「20 年以上」が 20.9%と最も多く、次いで「1 年以上 3 年未満」が 12.2%、「3 年以上 5 年
未満」 「5 年以上 7 年未満」がそれぞれ 11.2%となっている。

空き家の管理について

管理面での心配事

n=3,912
「住宅の腐朽・破損の進行」が 58.0%と最も多く、次いで「樹木・雑草の繁茂」が 41.9%、
「不審者の侵入や放火」が 32.1%、「地震、豪雪などによる損壊・倒壊」が 29.9%などとなっ
ている。
建て方別の管理面での心配事
建て方別では、「一戸建」の場合「樹木・雑草の繁茂」の割合が大きく、45.1%となってい
る。一方「共同住宅」の場合「心配事はない」の割合が最も大きく、58.0%となっている。

管理の内容

n=3,643
「外回りの清掃、草取り、剪定など」が 78.1%と最も多く、次いで「戸締まりの確認」が
70.0%、「住宅の通風・換気」が 64.1%、「台風、地震などの後の見回り」が 57.5%などとなっ
ている。

管理の頻度

管理の頻度
「月に 1~数回」が 36.4%と最も多く、次いで「年に 1~数回」が24.7%、「週に 1~数
回」が 19.1%、「ほぼ毎日」が 15.5%となっている。

年間の維持管理に要する費用

n=3,912
「5~10 万円未満」が 18.0%と最も多く、次いで「3~5 万円未満」が 14.6%、「10~20 万円未満」が 14.2%、「1~3 万円未満」が 13.3%などとなっている。

管理をする上での課題

n=3,912
「課題はない」が 30.2%と最も多い一方、「管理の作業が大変」が 29.8%、「住宅を利用す
る予定がないので管理しても無駄になる」が 26.0%、「管理費用の負担が重い」が 21.6%な
どとなっている。

特定空家等への措置の認知状況

n=3,912
※空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき特定空家等と判断された場合、市区町村長による助言・指導、勧告、命令、代執行の対象となる可能性がある
「詳しい内容までは知らなかったが、聞いたことがある」が 43.5%と最も多く、次いで「知らない」が 31.1%、「知っている」が 24.1%となっている。

特定空家等の敷地に係る固定資産税等の軽減対象からの除外措置の認知状況

n=3,912
※住宅の敷地では固定資産税等が軽減されるが、特定空家等として市区町村長から必要な措置
をとることを勧告された場合、対象から除外される
「知らない」が 62.5%と最も多く、次いで「詳しい内容までは知らなかったが、聞いたこ
とがある」が 25.9%、「知っている」が 10.7%となっている。

今後の利用意向

n=3,912
「空き家にしておく(物置を含む)」が 28.0%と最も多く、次いで「セカンドハウスなどとして利用」が 18.1%、「売却」が 17.3%、「取り壊す」が 13.2%などとなっている。

買い手・借り手の募集状況

n=885
「募集中」が 39.4%と最も多く、次いで「まだ何もしていない」が 38.2%、「募集の準備
中」が 14.4%、「買い手・借り手が決定済み」が 6.9%となっている。

買い手・借り手が見つからない場合の対応

n=885
「価格や家賃を引き下げる」が 55.8%、「売却・賃貸をあきらめる」が 16.8%となっている。

定期借家制度の活用意向

n=207
「制度をよく知らない」が 40.1%と最も多く、次いで「活用を検討する余地がある」が
19.8%、「活用するつもりはない」が 18.4%、「活用する・活用したい」が 17.9%となってい
る。

除却費用の用意

n=515
「貯蓄から」が 55.3%と最も多く、「補助金を利用して」が 17.1%、「融資を受けて」が4.7%となっている。

除却後の土地利用

n=515
「土地を売却」が 31.8%と最も多く、次いで「そのままにしておく」が 24.1%、「所有者が
利用(畑や菜園など)」が 22.1%などとなっている。

二次的住宅の今後の利用内容

n=710
「週末や休暇時に使用(避暑・避寒・保養など)」が 57.0%と最も多く、次いで「寝泊まり以外に利用(昼間だけ使用するなど)」が30.0%、「たまに寝泊まりに利用(残業で遅くなったときなど)」が 11.4%となっている。

空き家にしておく理由

n=1,097
「物置として必要」が 60.3%と最も多く、次いで「解体費用をかけたくない」が 46.9%、
「さら地にしても使い道がない」が 36.7%、「好きなときに利用や処分ができなくなる」が
33.8%などとなっている。
にほんブログ村 住まいブログ 空き家・空き家活用へ
にほんブログ村
目次